【裁判傍聴】刑事裁判の流れを知ろう(前編)

私が裁判傍聴に行く時は専ら刑事裁判の傍聴だ。

裁判の手続きの流れを知っていると更に裁判傍聴が興味深いものになっていく。

ドラマに出てくるような裁判官の小槌は出てくるのか?

「異議あり!」なんてセリフが飛び交うのか?などちょっとした疑問についてもまとめていく。

刑事裁判とは

窃盗や殺人などの犯罪行為に関する裁判。裁判官は検察官と被告人(弁護人)の言い分を聞き、有罪か無罪かの判決を下す。有罪の場合には刑罰が言い渡される。

世間の関心が高い大きな事件について初公判が始まったり、判決が言い渡された際にニュースで取り上げられる。執行猶予◯年とか、懲役◯年だとかをニュースで聞くのは裁判が結審し判決が言い渡されたからなのだ。

後述するが刑事裁判ではどんな事件なのかが検察官によって読み上げられるため、素人でも何が起こっているかがわかりやすい。

対して民事裁判では個人や企業間の争いに関する裁判(例えば金銭の貸し借りや相続トラブル、損害賠償請求など)が多いので、刑事裁判と比べて何が起きているのかの把握が難しいことが多い。民事の開廷表を見ると、原告(訴えた側)、被告(訴えられた側)には企業名が載っていることも多い。

一度、不倫による損害賠償請求の民事を見にいったことがあるが、男女双方の意見が食い違いすぎて失礼だが面白かった(笑)所帯持ちの男が不倫相手に訴えられていた。出会ってすぐに男に結婚を申し込まれたらしいが、男は覚えてないとか。そんなすぐに信じるなよ…とめぐみは思います(笑)

刑事裁判の登場人物

法廷に入ると裁判に関わる多くの人がいるので、それぞれの役割について説明しておこう。

裁判長、裁判官 事実の認定を行い良心に従って有罪、無罪を判断する。有罪の場合は量刑も決める
被告人 検察官により起訴された罪について裁かれる
検察官 被告人を起訴する
弁護人 被告人の利益のため弁護をする
書記官、速記官 裁判中のやり取りを記録する
刑務官 法廷への連行、被告人の身柄を拘束する
傍聴人 裁判が公平に行われているか傍聴する
開廷5分前くらいになると入廷でき、裁判長以外の人は席についていることが多い。更に開廷2分前くらいになると、腰縄と手錠をされた被告人が刑務官に連れられて入廷する!初めて見たときは衝撃的だった。ちなみに逃走を防ぐため被告人は必ずサンダルを着用。スーツの時も革靴に見えるサンダルを履いている。開廷直前になると裁判長が入室し起立と一礼があるので、傍聴人もこれを行うこと。ちなみにドラマに出てくるような裁判長の小槌はない(笑)

刑事裁判の流れ

刑事裁判を大きく分けると以下の4つとなる。順を追って説明していこう。(前編では①と②について解説)

  1. 冒頭手続
  2. 証拠調べ手続
  3. 弁論手続
  4. 判決宣告手続

冒頭手続

まず裁判が始まると冒頭手続が始まる。簡単に説明すると争点を明らかにすることが目的。大きく分けると4つ。

  • 人定質問

出頭した被告人が起訴された人物に間違いがないか裁判長が確認する。氏名、生年月日、本籍、住所、職業を聞かれる。

だいたいの人が逮捕後に職を失って、無職と答えることが多い。声小っちゃくて聞こえないー!とかもよくある。
  • 起訴状朗読

被告人がどのような罪を犯し、どのような罪名・罰条でこれから審判されるのかを検察官が読み上げる。事件のあった場所、時間、事件の概要などが簡潔に述べられる。

検察官は証拠や書類を風呂敷で持ち運ぶのが通例だ!検察官は証拠を持ってきて裁判所に提出するため帰りは荷物が少なく畳んで手ぶらにできる風呂敷を使うらしい…古臭いけどなんだか格好いい(笑)
  • 権利告知

裁判長から被告人へ黙秘権の告知がされる。黙秘権とは言いたくないことは言わなくてもいいという被告人の権利だ。裁判中ずっと黙っていてもいいし、ある質問には答え、ある質問には答えなくてもいい。ただし法廷内での発言は有利にも不利にも全て証拠になるという注意がされる。

告知の内容はみんな一緒だが、裁判長によって優しく聞こえたり厳しく聞こえたりするもの。裁判長にはファンがいて、傍聴マニアの中ではこの裁判長に裁かれたい〜♡なんてこともあるらしい。犯罪はダメです(笑)
  • 罪状否認

裁判長から被告人へ起訴状の内容に間違っていることはあるかから問われる。「間違いありません」と全面的に認めるもの、一部内容を認めるもの、全面的に否認するものがある。

起訴内容の真偽はこれから証明されるものの、ここで被告人の反省度合いがわかったりする。もちろん身に覚えがないことは徹底的に戦う!という意志がみられることもある。
冒頭手続までを聞けば、どんな事件であったかがわかる。開廷表に事件名が記載されているので事件の内容は推測できるが、「思っていたのと違うな…スケールが小さいな…」とか色々思うわけです。中にはギョッとする事件もあったりして、開けてみないとわからない感が裁判傍聴の醍醐味だ!経験値の高い傍聴マニアはここで興味関心がないと感じたら退出し別の法廷へ向かうのだ(笑)

証拠調べ手続

次に証拠調べ手続きに入る。大きく分けると3つ。

  • 冒頭陳述

検察官が証拠によって証明しようとする事実を明らかにし、証拠の取り調べを請求する。事件の内容を起訴状に書かれている内容よりも詳しく説明する。犯罪が行われた日時、場所、方法、被告人の生い立ちから経歴や前科、事件当日に犯行に至るまでの行動、犯行手口、被告人が犯行に及んだ動機や原因が具体的に述べられる。

弁護人は請求された証拠について証拠能力を認めるかどうか(同意or不同意)判断し、同意した証拠はすべて証拠能力が認められ取調べられる。弁護人が不同意とした証拠についてはそのまま証拠とすることはできず、証人尋問等を行うことになる。

  • 証拠調べ

検察側と弁護側の採用された証拠に関して証拠の取り調べを行う。逮捕後の取調べで作成された供述調書や具体的な証拠が甲号証(目撃者や被害者の供述調書等)と乙号証(被告人自身の供述調書等)に分けて取り調べされる。証拠には3種類あり、証人・証拠書類・証拠物となる。

証人尋問は裁判傍聴の中でも興味深い部分である。検察官、弁護人からそれぞれ質問がされ、証人は事実に基づいて自分の言葉で証言していく。証言をする前に宣誓文の読み上げがある。

 「宣誓 良心に従って、真実を述べ、何事を隠さず、偽りを述べないこと誓います」

ちなみに証人が偽りの証言をすると偽証罪(3カ月以上10年以下の懲役)となることも裁判長から説明される。

  • 被告人質問

被告人に対して検察官、弁護人からそれぞれ質問がされる。被告人は証言台に立ち、裁判長に向かって回答をする。

被告人質問は公判の中でも重要な部分である。本人の口からどのようなことが語られるのかというクライマックスの部分でもある。泣き出したり、喚きだしたり、意味不明な発言をしたり様々だ。

そして検察官や弁護人の個性も出やすい(笑)めちゃめちゃ攻めの姿勢の女性検察官とか、穏やかで人権派の弁護士だとか。たまにここで「異議あり!これは誘導尋問です!」というやりとりが見られるが、裁判長から「続けてください」などと制されることも多い。ドラマ並みに「異議あり!」を連発する人もたまにいる。

証拠調べ手続きは公判の中で最もボリュームのある部分。1日で終わらず、何日間もかけて手続きをすることも多い。そのため閉廷する際は次回の公判期日が公判の最後に示されるため、メモを控えておこう。次の公判からは「新件」ではなく「審理」というステータスになる。
後編はこちらからどうぞ!

この記事は【裁判傍聴】刑事裁判の流れを知ろう(前編)の続編です! 前編は下記リンクからどうぞ! [sitecard subtitle=関連記事 url=https://meguminblog.com/court-1] [a[…]