こちらは目黒女児虐待死でニュースとなった船戸雄大被告の初公判の傍聴記録③となります。①②は以下リンクからどうぞ。
久々に東京地方裁判所に行ってきました!今日の目的は目黒女児虐待死でニュースとなった船戸雄大被告の初公判。17席の傍聴席を求めて500人近くが整理券の列に並ぶ…確率にして3.4%!100人に3人という計算の中、なんと当選しまし[…]
こちらは目黒女児虐待死でニュースとなった船戸雄大被告の初公判の傍聴記録②となります。①は以下リンクからどうぞ。[sitecard subtitle=関連記事 url=https://meguminblog.com/boucho-1][…]
どんな事件?
平成30年3月、東京都目黒区にて両親によって船戸結愛ちゃん(5)が虐待死した事件。先日、母親の船戸優里が東京地裁の裁判員裁判で懲役8年が言い渡されている。(9月30日付で船戸優里被告が控訴中)
今日は父親の船戸雄大の初公判。この船戸雄大は実の父親ではなく、結愛ちゃん(船戸優里の連れ子)の義理の父親である。
事件概要
- 事件番号 平成30年合わ第149号
- 事件名 保護責任者遺棄致死、傷害、大麻取締法違反
- 守下実裁判長
- 水橋孝徳弁護士
- 刑事第1部
- 426法廷
公判内容
証拠調べ
裁判員裁判のため各証拠について法廷内ディスプレイにて表示あり。ただしご遺体のイラストや刺激性のある証拠については傍聴人には秘匿となっています。
雄大被告は画面を見つめる
証拠番号1
- 現場付近の状況
- 自宅アパートの外観
- 路上から各部屋出入口への通路
- 部屋の間取り
- 部屋内の写真
部屋の間取りは2DKでダイニングキッチンと6畳間、4.5畳間、トイレ浴室。結愛ちゃんは6畳間で生活をし虐待を受けていた。この6畳間には照明がなかった。部屋内は生活感はあるものの、特段物が散乱している訳ではない。
- 流し台、冷蔵庫の写真
食料品は少なく、飲料が多い印象を受けた。
- トイレ、浴室
浴室には血痕があり、後の調査で結愛ちゃんのDNAと一致したという結果あり。
- 6畳間テレビ台横のメモ(張り紙)の状況
書かれていたのはかけ算九九、時計の読み方、朝起きてすること(何ケ条もありメモをとりきれませんでした…報道のあったように「朝◯時に起きる」「歯磨きをする」といった内容であったと記憶します)など。
- 衣類掛け付近のメモ(張り紙)の状況
メモの一部には結愛ちゃんのDNAと一致する血痕あり。書かれていたのは、何かを始める時と終わった時は時計を見て何分掛かったか確認する、一生懸命やるぞ、嘘をつかない、返事をする、いつもニコニコ笑顔で などといったものでした。
- 6畳間のテーブル、布団付近の状況
枕元には雄大被告が自ら購入したブドウ糖の飴、経口補水液などが置かれていた。飴は2個、経口補水液は200ml消費されていた。枕カバーには黒い変色した何かが付着していたが無臭で何であるかは不明。
- 6畳間ハンガーラック付近の状況
結愛ちゃんが使用するはずであっただろうランドセルが置かれており、近くには入学のしおりもあった。
- ベランダの状況
洗濯機が置かれていた。
証拠番号2
現場管轄の水道局調べによる2月下旬の水温の状況。平均8.5度(外気温によるが7.6〜9.7度)であることがわかっている。結愛ちゃんは冷水シャワーを雄大被告から浴びせられていた。
証拠番号3(証人尋問)
証人として出廷したのは雄大被告の119番通報を受け、一番初めに現場に到着した東京消防庁世田谷消防署の中隊長。
- 4名で現場へ行き、うち3名がアパート内へ向かう
- 現場へ到着した際は雄大被告が自宅ドア前から手を振っていたのですぐに現場がわかった
- 玄関にはマガジンラックのような物が玄関正面に置かれておりパーテーションの役目をしており、自宅内は見えなかった
- 結愛ちゃんは布団の上で仰向けになっていた
- パジャマを着た結愛ちゃんの隣に優里被告がおり、心臓マッサージをしていた
- いつから脈がないのかと優里被告に問うと通報の5分前という回答あり
- すでに心肺が停止しており、中隊長は人工呼吸・心臓マッサージを行う
- AEDを背中に貼る際に見えた結愛ちゃんの身体は肋骨が浮き上がっており、全体に傷があった。手足は骨と皮だけで身体全体が土気色に変色、頬はこけ、目の周りが腫れていて、オムツを着用していた。
- 隊員が6畳間の照明をつけるように言うと、照明はなかった。ただし隣のダイニングキッチンの明かりで見通しは問題なかった。
- 検察から現場を見てどのように感じたか証人に問うと「普通の急病はないと思った」「5歳児がオムツを履いているのはおかしい」「通報の直前でなく、数日以上前から結愛ちゃんに何かあったのではないかと感じた」と述べた。
- 背中に貼り付けたAEDは電気ショックの必要がないと機械が判断
- 名前、生年月日、病気などについて聞くと雄大被告は「特に大きい病気はない。数日前から食事があまり摂れていなかった」と回答した
- 肋骨が浮き出ていたため数日前からの食事不摂取でこんなに痩せないと感じた
- 雄大被告の当時の様子は、現場到着後自宅へ案内する際は慌てていた様子だったが、アパート内でのやり取りは冷静であった
- 搬送経路確保のため玄関正面に置かれたマガジンラックを雄大被告と一緒に移動させた
- その後は救急隊に引き継ぎを行い、雄大被告と優里被告は消防車に同乗した
- 「25年間仕事をしていて、このような小さい子供がこんな状態であったのは初めての経験であり、いまだに脳裏に焼き付いている。凄惨な状況は忘れることはない。」と述べた。
- 現場へ到着した際、雄大被告が自宅ドア前から「早く!こっちだ!」と手を振っていた
- 玄関前のマガジンラックを動かすのに雄大被告も手伝った
- 優里被告は終始呆然としていた
- オムツを履いていたのは何故わかったのか問うと「下のパジャマがずれ下がっておりオムツ着用が確認できた」と回答
- 5歳児がオムツ着用しているのはおかしいと感じたが、2名の被告に確認したか問うと「理由は聞いていない」と回答
- 救急時に行う全身観察では変色や傷が見られたがどうしてこうなったのか確認したか問うと「どうしてこうなったかは雄大被告には聞かなかった。あくまで我々の目的は救命を最優先するためにいる。ただし経験上、急病人が顔が青白いことはあっても土気色になることはなかった。AED判断で電気ショックの必要がないとされ心臓マッサージを続けた。AEDによる電気ショックは機械が必要と判断した時のみしか行えない。結愛ちゃんの顔面左側の布団に何か液体が付着していたが何かはわからなかった」
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